施主支給で、なにができる?

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 最近よく聞く“施主支給”をご存じでしょうか。施主支給がどんなものなのか、いまいち分からなくて、実際どこまで自分で用意していいのかも分かりませんよね。実は、施主支給はコスト削減になったり、自分のお気に入りのインテリア・空間にするためにとっても重要なものだったんです。

 にも関わらず、施主支給の存在を知るのは、打ち合わせのかなり後半で後悔…。ということが起こりかねません!この記事では、施主支給で“何ができる”のかを具体的に解説します。是非、参考にしてください。

施主支給とは

 まず”施主支給”とはなんだかわかりますか?私が初めてこのワードを聞いたのは、間取りの打ち合わせの後半でした。そのときは何だか全く分からなかったので、担当さんに聞いてしまいました。施主が『私たち』。支給は『払い渡すこと』です。

つまり、私たちが自分で購入したを取り付けてもらうことを言います。

ハウスメーカーや工務店が準備したモノは仲介業者がいて、購入コストがかかっています。施主支給にすると、その購入コスト、言い換えれば利益が失われてしまうため、向こうからすると嫌がられることもあるようです。一般的に工務店の方が施主支給を受け入れてもらいやすいですが、どちらにしても施主支給できるかは、ハウスメーカーによって全く異なるので、決める前に確認したほうがよいでしょう。

メリットとデメリット

簡単にメリットとデメリットを紹介します。

・自分が気に入った好きなものを選べる

・照明や小物などは住み始めてからも途中で変えることができる

安く購入できる。アウトレット商品も可能

海外製品も可能

保証がない

工賃がかかる

手間がかかる

 工務店やハウスメーカーに依頼した場合、製品の不備があった際に保証してくれます。しかし施主支給のモノは保証対象ではないので、製品そのものはもちろん、建物と備品が合っておらず発生した不備などは自己責任になります。そのため、施主支給で購入する先の業者ハウスメーカーの双方へ、設置に問題がないことを確認する必要があります。

また、工賃はハウスメーカーによってサービスしてくれるところもありますが、基本的には一つ一つに工賃がかかると考えていた方が良いでしょう。

そして、なんと言っても「手間」がかかります。

マナ
マナ

自分が気に入ったものを選ぶだけでしょ?

探す手間は確かにかかるけど、それだけなら簡単じゃない?

 好きなものを選ぶだけなら楽しい時間ですね。しかし、気をつけなければならないことが、いくつもあるのです。この後の「失敗しやすいアイテム」の目次で紹介しますね。

施主支給でおすすめのアイテム一覧

マナのホームで取り入れた施主支給品

照明器具

 施主支給で最も多いのが照明器具ではないでしょうか。ネットで買いやすく、工務店側も取り付けやすいことが特徴です。照明はシーリングライト、ブラケットライト、ペンダントライト、ダウンライトなどがあります。

これらは先に決めておかないと、電気配線が決まらなかったり、電気配線が確定してしまうと変更することができないので注意が必要です。

私達は階段にブラケットライトを使用しました。

ダイニングにペンダントライトを取り入れる予定です。下の画像はあくまで予定です。

照明は、IKEAPanasonicオーデリックなど様々なメーカーが揃っているので、気に入ったものが見つかるといいですね♪照明だけでも個性を産み出すことができますよ。

IKEA

Panasonic

オーデリック

 私達は玄関やトイレ、寝室なども施主支給で好みの物に変える予定でした。しかし、全ての部屋の照明を施主支給に変更すると、やや金額が高くついてしまうのと、掃除が大変だと思い、素直にダウンライトにしました!

水栓金具・洗面ボウル

 洗面はブランドによって、テーマを大きく変えることができるのでお勧めです♪

海外製ブランドを安く導入することもできます。北欧風、アメリカン、和モダン、ヴィンテージなど、洗面所だけを異空間にするもの面白いですね!

ただ、取り付け前にサイズ・接続規格などをしっかり確認しておかないと、洗面台の横に隙間ができてしまったり、はまらなくなることもあるので注意が必要です。

ちなみにマナのホームでは、桧家住宅がアイカ工業の造作洗面を取り扱っていたので、そちらをお願いしました。(※桧家住宅より画像引用)

ドアノブ・取っ手・タオル掛けなどの小物

 よく施主支給されるのは、トイレのペーパーホルダーや洗面のタオル掛けです。細かい部分にはなりますが、簡単にオリジナル感を演出することができるので、お気に入りの物を選ぶと満足度が高いです!

桧家住宅の標準のペーパーホルダーはこちらです。

収納と一体型になっていて、少し建売住宅感…といった印象です😓

そのため私はペーパーホルダーを施主支給にしました。これだけでイメージがガラッと変わるのでおすすめです。

家電(エアコン・食洗機など)

 家電(エアコン・食洗機など)はとにかく要注意です。

 エアコンを初め、食洗機IHなんかも、実は施主支給できるのをご存じですか。しかし、家電類を施主支給できる工務店やハウスメーカーは限られていることが多いです。

なぜなら、家電類は電気配線の場所や数補強壁や柱の位置、規格などを細かく気にする必要があるからです。それらをしっかりと気をつけて設置したとしても、何か不具合があった場合に、家電そのものに問題があるのか、建物に問題があるのか、あるいは双方なのか責任の所在があやふやになってしまいます。

確認する手間保証の問題、さらに設置の難易度などから、断られるケースが多いです。

友人エピソード

とある友人のエピソードです。エアコンの取り付けを他社へ依頼したようです。エアコンを購入した家電業者はここには設置できないと否定したようですが、取り付け業者は問題ないと判断して配管を通すために穴を空けました。ところが問題ないと思っていた場所は大事な柱があった場所だったのです。柱を削って穴を空けてしまったため、穴を埋めるために追加工事が必要となってしまったようです。

友人エピソード

もう一つ失敗例を紹介します。図面を家電屋さんに見せて、幅や奥行きが問題ないことを確認して冷蔵庫を購入しました。しかし、通路が通れず搬入不可となってしまいました。そのため、専門の搬入業者を別で雇い、購入してから1ヶ月後にやっと設置できたそうです。

このように図面をしっかり理解していない業者へ依頼するのは、とてもリスクがあります。そのため、設置条件・保証・搬入経路のリスクを具体的に確認し、覚悟の上で施主支給するようにしましょう。

マナのホームではリスクを考慮して、家電を施主支給するのを避けました。リスクばかりを説明してしまいましたが、上手くいけば家電類は大幅に減額できるポイントなので、コスト重視の人は検討してみても良いでしょう。

施主支給で失敗しやすいアイテム

 前述したように、家電は失敗しやすいアイテムと言えます。その中でも、システムキッチン・ユニットバスなど「工事と一体型」のものは避けた方が無難です。これらは寸法が命です。そして、配管や電気配線も絡んでくるので設置の難易度が上がり、複雑なんです。

 次に失敗しやすいのは、海外製品です。規格が日本とは異なるので、勘違いが起こりやすいです。また、納期が守られない場合もあるため要注意です。

 あとは失敗しやすいアイテムというより、購入する先の担当業者が重要です。担当者が図面を読めて、製品を理解していて、双方がマッチしているのかを把握できていないと、どんなにいい製品でも失敗します。

リアルなコスト削減術

想定していた予算

 最初の打ち合わせで検討していたオプションや、標準でついていたもの達を紹介します。

配線追加工事:200,000円

照明器具:221,000円

可動棚:910mmの21,000円×2つ  1820mmの40,000円1つ

スロップシンク:108,000円

食洗機:20,000円

洋室のカウンター:1820mm×奥行き300mmで17,000円×2

壁補強:5,25m 37,275円

カップボード:2700mm302,000円

合計=1,004,275円  約100万円になります。

施主支給により、できた減額

配線追加工事:147,000円 元々がシーリングライトやブラケットライトだったところを、ダウンライトへ統一したことで配線が少なくなり、減額につながりました!いわゆるブレーカーを収めているものを分電盤というのですが、これも減数することができたので減額になりました。

照明器具:132,000円 玄関や寝室の照明も施主支給にしようかと考えていましたが、予算内で気に入るものが見当たらず…。変に施主支給するよりシンプルにダウンライトにした方が、自分のイメージしているホテルライクに近くなると思い施主支給をやめました。また、人感センサー調光器の有無でも結構金額が変わるので減額ポイントです。

可動棚:棚柱1820mmで2940円、棚受け394円×4つ、取り付けビス306円、棚約5000円=9,822円です。つまり標準より約1万円の減額に成功しました!自分達で取り付けるのを覚悟していましたが、現場の大工さんが取り付けてくれることになりました😊

スロップシンク:0円。初めは汚れ物を洗うときに絶対に必要だと思い込んでいました。後々に他のオプションを追加していく内に、汚れ物なんてバケツとかで洗えばいいじゃん!外水洗もあるし、外で洗えばいけるね!と考え直し不採用となりました。その分スペースも確保できたので、むしろ良かったです。

食洗機:-20,000円。絶対にあったら便利なんだろうけど、私の性格上、食洗機があるならいっぺんに洗いたいからとシンクに食器がいっぱいにたまりそうだなと思いました。そして、コップ1個だけ残ってるいるとか、後から洗い物を出されたらイライラしそうとも思いました。食洗機の中の掃除をどうするのか知りませんが、永久的に掃除なんてしなさそうだなとも思いました。そして中途半端なサイズだと使いにくい、大きな食洗機にするべきだという口コミも耳にしました。

マナ
マナ

便利だろうけど、よく考えたらデメリットの方が多い気がする…

すっごく食器洗いが嫌いな訳でもないし、旦那もやってくれるし

実際、手洗いでも不便していないかも!

と考えて思い切って食洗機なしにしました。時代に流されず、自分の性格と向き合って旦那とも合意の上で決定したので後悔ないです。

バス:カウンターなし -1,500円、棚なし-500円、風呂蓋なし-0円=-2,000円。お風呂はできる限り付属品を無くして掃除がしやすくなるようにしました。減額が目当てというより、掃除のしやすさ重視です。

洋室のカウンター:0円。ダイニングに作業机としてカウンターを設置する予定でしたが、造作で設置してしまうと可変できなくなってしまうなと考え直して不採用にしました。憧れもありましたけどね😓

壁補強:ここもあそこもと、至る所に補強壁をお願いしていましたが、改めてよく考えて補強壁にする場所を減らしました。一番範囲の広かったカップボードの上は、いずれ飾り棚をつける可能性も考えて補強壁にしていましたが、約40cm間隔で柱が入っているので、その柱に合わせて釘を打ち込めば問題ないことが分かったので不採用としました。結論、範囲が15,74mまでに減ったので、111,754円になりました。  

カップボード:幅の広ーいカップボードを選択していましたが、現状そこまで食器収納に困ってはいなかったので150mmだけ短くしました。それだけでも約5万円の減額です!2550mmで250,000円です。

さて、一体いくらの減額に成功したのでしょうか!?

合計=628,576円!!

なんと375,699円の減額となりました😊この減額できた分のお金で、施主支給品を購入することができました。

よくあるクエスチョン

いつから施主支給について考え始めたのか

 私は打ち合わせの真っ最中でした。担当さんから、施主支給というワードを聞いて初めて知ったので、考え始めるのが遅かったです。もし最初から知って入れば、もっと標準と施主支給のバランスを考えられたのかなと思います。

どこで購入するべきか

 照明器具は、オーデリック、IKEA、ニトリ、コイズミなどいくらでも選択肢があるので内装のテイストに合わせて購入するのが良いと思います。

 ペーパーホルダーなどの小物金具はAmazonや楽天で購入しました。

 カップボードや洗面台などは、ホームセンターニトリ。ネットならやすい商店などがあります。

カップボードなどの大きな物はネット購入でのリスクが高いです。必ず、規格や納期、配送条件などを細かく決めましょう。逆にこれらを確認してこない業者なら、不安なので購入しないほうが良いでしょう。

いつまでに用意すればいいのか

 私の場合ですが、

壁掛けテレビの金具は電気配線と関わる物なので、着工して1ヶ月後くらいにはサイズや物が分かるように言われました。

可動棚カーテンレールは壁紙が貼り付けられてからの設置なので、完成間近に準備しました。着工して2~3ヶ月目安で用意しました。

マナのホームでは洗面・カップボードなどの大物はハウスメーカー内の物を選択してので、納期に焦ることは一切ありませんでした。もし、これらを施主支給する場合は、打ち合わせの際に担当者と搬入時期を相談した方が良いと思います。

まとめ|施主支給で“何がいい”かは目的で決まる

コスト重視なら、大物や電気類

 コスト重視でハウスメーカー側が良しとするならば、キッチン、カップボード、洗面台、エアコンなどの家電は大幅に減額できる施主支給品です。しかし、金額は抑えられても、手間をかける時間を要します。ハウスメーカーだけでなく、購入する業者との打ち合わせも発生するので、手間を惜しまない方や保証リスクを考えられる人が選択するべきです。

 安易に施主支給すると、失敗する可能性があるので要注意です。

デザイン重視なら、洗面やインテリアパーツ

 小さな金物は、施主支給するのにバッチリな部分です。タオル掛けや鏡、ペーパーホルダー、照明、飾り棚。特徴的な鏡を選択すれば、一気に雰囲気が変わります。メインは白で小物を黒にして、モノクロにするとかっこいいですね。洗面台を大理石調にして、小物をウッドにするのもオシャレですね。

「自己満足×安心施工」のバランス

 もしまだハウスメーカー・工務店が決まっていないのであれば、契約前に「施主支給の可否・範囲」を確認しましょう。そして、購入する先の業者へ納期・保証・取り付け責任を明確にしておきます。

 施主支給は物が大きくなるほど、電気や金具が必要になるほど、規格や電気配線などを考慮しなければならないため、失敗のリスクが上がります。リスクに反して、大幅な減額のポイントにもなるので慎重に考えましょう。初心者や家電・家具に詳しくない方は、標準装備が安心です。小物などでも個性をだすことは十分にできるので、検討してみて下さい♪

 施主支給は自己満足を大いに発揮できる場でもあります。自分好みのお気に入りが見つかりますように。そして自己満足と安心のバランスをお忘れなく。

マナ
マナ

今後も施主支給した部分がどういった経過をたどっているのか

ここも施主支給にすれば良かった後悔などがあれば紹介できればと思います!

最後まで見てくださり、ありがとうございました!

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